長期保存が可能な <<ドキュメントインク>>

万年筆インクには,筆跡の保存性が重要である。何ら記録として残すわけでもなく,書くことそのものを楽しむ場合はこの限りでない。
しかしながら,日記や帳簿,管理台帳などの記録文書を記す場合,長期間の保存が必要となるのだ。

ここで私は,2019年から2020年頃に日記用として使用していた万年筆インクを紹介したい。

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ROHRER & KLINGNER <<ドキュメントインク>>

それは,”ROHRER & KLINGNER” 社の,”文書インク” である。

正式な,あるいは保存を要する文書というのは,黒インクで書かれるものという印象が持たれている。しかしながら,このインクは6色が発売されている。

私が購入したのは,”Dunkelblau” (黒い青) という色である。

ROHRER & KLINGNER <<ドキュメントインク>> のビン

長期保存に最適

私はこれを,日記などに使用した。私にとっては美しく感じられるインク色で,なによりも長期保存に優れているところが魅力的だった。

日記帳に書かれた “2019” の文字

これで書いた紙を2019年の11月から窓ガラスに貼り,日光に当て続けたが,2021年3月24日現在も筆跡は明瞭めいりょう に視認できる。

保存性でいえば,シャチハタのスタンプ台インクも長期保存に適している。印字された日付も同様に,消える気配すらみられないからである。

日光に当て続けた筆跡

万年筆にとっては快適でない

<<ドキュメントインク>> は長期保存には適しているが,それを使うことは万年筆にとって快適なものではない。

<<ドキュメントインク>> は,”顔料インク” と呼ばれる種類に属する。染料インクと比較して,筆跡の耐水性が高く,長期保存に適している。しかしながら,洗浄が面倒であるうえ,キャップを開けたまま放置するとすぐに乾燥する。最悪の場合,万年筆を修理しなければならない。

当時,私はプラチナ万年筆製 <<PROCYON>> を日記に使用していた。ほぼ全てが金属製で,キャップがネジ式であるという点に魅力を感じたのだ。

だが,どうやらペンとインクの相性が合わなかったようだ。頻繁ひんぱん にインクがもれてしまい,日記を書いた後には手がインクまみれになってしまった。

しかも長期間使用していくうちに,万年筆のネジが削れてしまい,キャップが正常に閉じなくなってしまったのだ。そして何かの拍子ひょうし でキャップが外れ,インクが乾燥してしまった。

愛用の万年筆を喪失そうしつ した後は,ガラスペンで日記を書いた。その他にも万年筆は数本所有していたが,それらには <<ドキュメントインク>> を入れなかった。