LINEは安全か?――メッセージアプリの選び方

西洋紀元2021年 09月09日 木曜日

LINE,Facebook Messenger,KakaoTalk,WhatsApp――
この時代,メッセージアプリは人間関係や意思疎通に於いて,重要な地位を占めている。そして,そのメッセージアプリには,恐ろしいほど多くの種類がある。

我が国で多く使われているのは,なんといっても「LINE」だろう。アメリカをはじめとした諸外国では,「WhatsApp」,「Facebook Messenger」,「Telegram」といったアプリが多く使われているらしい。
ちなみに,韓国では「KakaoTalk」である。

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メッセージアプリの重要性

現代では,十歳の子どもから百歳を越える老人まで,家族や友人,仕事仲間と連絡を取るためにメッセージアプリを使う。
こうしたメッセージアプリには少なくとも,「銀行レベルの高い信頼性」が求められると私は思う。

多くの人は,いつでも好きなときにメッセージをやりとりできることを当然だと思っているし,通信の相手が本人であることを疑うこともない。
しかし,残念ながら,通信の自由や正確性は当たり前のことではない。だからこそ,メッセージアプリには安全で信頼できるものを選ぶべきだ。

乗っ取りと盗聴の恐ろしさ

メッセージアプリが乗っ取られたら,あるいは盗聴されたら,命にかかわる事態になる。これは大げさではない。
友人をよそおって会う約束をし,待ち合わせの場所で拉致することだってできる。盗聴なら弱みをにぎることだって,ご友人と仲良く最期のひとときを過ごさせてあげることだってできる。こう考えると,必要な信頼性は銀行の比ではないかもしれない。

なりすましを防ぐには,「会う約束などの重要なことは,電話などで確認する」べきだと私は思う。盗聴を防ぐには,安全なアプリの通話機能を使うしかない。

注意すべきこと

いかなるメッセージアプリを選んだとしても,正しく使わなければ安全性などなくなる。メッセージアプリを使うときは,次のことに注意すべきだろう;

  • 相手は確かに本人なのか。本人だとしたら,脅されたりしていないだろうか。
  • 相手はどのような状況から,このメッセージを送ったのだろうか。
  • 場合によっては,電話をかけたほうがいい。相手の状況がわかるし,声を聞けるので安心だ。

どのアプリを使うべきか?

メッセージアプリは多く存在するが,あまりにもたくさんインストールしすぎるとややこしくなる。メッセージアプリの数を最低限にしたい場合は,次の四つだけを残そう;

  • Threema
  • Signal
  • Facebook Messenger
  • LINE

これは,安全性と利便性,そして使っている人の多さから選んだ。さきのリストは,安全だと思う順に並べてあるが,皮肉なことに「不人気な順」にもなっている。

Threema

公式サイト
これは安全だ(もちろん,絶対安全という意味ではない)。本社はスイスにあり,すべてのメッセージは暗号化されている。
そして,電話番号をやられたとしても連絡ができる。
だが,残念ながら,使っている人は少ない。格安だが無料ではないからである。数百円の買い切りではあるが,「たかがメッセージアプリに金をかけるのかよ」と思っているのか,買おうとしない。だが,さきに述べたように,メッセージアプリは命にさえ関わることがあるので,数百円を払うのにちゅうちょすべきはでない。

Signal

公式サイト
これはオープンソースであり,シンプルかつ安全なメッセージアプリだ。資金は寄付で集めており,Threemaと違って無料である。
内部告発者でアメリカ政府に負われているエドワード・スノーデン氏が使っていることでも有名である。

Signalは,電話番号が無事なら安全といっていい。Signalのアカウントは電話番号にひも付いていて,電話番号が他人の手に渡ってしまえば,乗っ取られるか,少なくとも使えなくなってしまう。

Signalを安全に使ためには,相手と互いに「安全番号」を確認しあうことが必要である。これは端末が変わると,変更される。すなわち,ほかの端末からSignalアカウントを乗っ取ったら,この安全番号が変わってしまうのだ。
そして,「安全番号が変わりました」などと表示されたら,相手に電話をかけるか,会って確認すること。「君,携帯変えた?Signalの安全番号が変わってたけど。」

ちなみに,プロフィール写真や名前が変わっていたらさらに危険な状態である。Signal PINがわからなくても,プロフィールをリセットすれば使うことができるのだ。

Facebook Messenger

公式サイト
これは使っている人が多いので,リストに入れておいた。ThreemaやSignalと比べればたいへん危険であるが,ねらわれていなければ一応,ある程度信頼しても問題ないかもしれない。

LINE

公式サイト
日本ではほとんどの人が使っていると言っても大げさではない。これもやはり,ThreemaやSignalと比べればたいへん危険である。ねらわれていなければ問題ないかもしれないが,「LINE一極集中」は防犯以外の点でも危険である。もし災害時に通信が集中して,サーバーが処理できなくなったら?なにかの間違いでLINEのアカウントを停止されたら?

LINEの通信サーバーを乗っ取れば,日本を滅ぼすことまでは至らなくても,少なくとも大きな混乱を引き起こすことはできる。サイバー犯罪者や諜報機関が,そうしないという保証はどこにもない。

その他

これらの他にも,「安全なメッセージアプリ」はたくさんある。Wire,Briar,Matrix,Wickr Me,Telegramなどである。だが,使い勝手が悪かったり,安全性が不十分だったりするものも多い。メッセージアプリ好きならさきにあげたものをすべて入れてもいいかもしれないが,そうでないならたくさん入れる必要はない。

Briarはとても安全で,乗っ取りや盗聴の心配も少ないが,他の端末にデータを移すことができず,端末が壊れたら連絡先データも失われる。また,常にメッセージを受け取れるようにしておくと,とんでもない速さで電池が減る。

安全性をうたったものに限らなければ,Viber,KakaoTalk,Kik,SnapChatなど,さらに種類は増える。
インターネット上での出会いのさいに,KakaoTalkのIDを交換することが多いらしい。ネット外で出会った人と(安全のために)「分けておける」からだと思うが,KakaoTalkは一定期間に多くの人にIDを登録されると,登録に制限がかかる仕組みになっている。そう考えると,自由ではない。もっと安全で自由なメッセージアプリとしては,MatrixやTelegramあたりがいいかもしれない。