ポメラ −21世紀の和文タイプライター

かつて欧米には,タイプライターという便利な道具が普及していた。使用する文字体系にもよるが,アジアやアフリカなどにも存在していただろう。

タイプライターは,鍵盤を打つことで紙に文字を打つ道具だ。しかしわが国では,その恩恵を十分に享受できなかった。

なぜならば,わが国の国語である日本語の文字体系が複雑で,多種類の文字を使用するからである。タイプライターの恩恵を享受するならば,多くの文字を使うことをあきらめねばならなかった。

私は近日,中古品店でカタカナのタイプライターを買った。カタカナしか打てないのだが,電源不要で簡単に文字を打つことができる。

レトロでたいへん興味深く,そしてすぐに紙に打ち出せるので便利ではあるが, ”デジタル・ミレニアム” に於ける創作活動には多少不便である。

しかしポメラなら,もっと軽くてはるかに持ち運びやすく,おまけにひらがなや漢字も打てる ーただし,テキストデータ専用である。

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テキストデータ

私が使っている ”DM5” という機種の場合,テキストファイルの文字符号化形式は,”SHIFT JIS” であって,多く使われている ”UTF8” や ”UTF16” ではない。

文字符号化形式とは,文字を0と1の組み合わせで表すための方法である。これが違うと,めちゃくちゃな文になってしまう。この現象を文字化けという。

私はテキストエディタ ”Emacs” のマクロを作ってSHIFT JISからUTF8に変換し,読点を全角カンマに置き換えるようにした。DM5では読点の代わりにカンマを使うよう設定できないからである。

作成したテキストファイルは,SDカードまたは本体に保存できる。本体からはUSBで伝送できる。

ワープロではない

テキストエディタは,ワープロと混同されやすいが,全く異なるものである。

テキストエディタ(text editor)は,漢語だと ”文字列編集機”,和語(やまとことば)だと ”ことばを かきこむ もの”である。

ワープロ(word processer)は,漢語で ”文書処理機”,和語で ”かみに かく もの” である。

テキストとワードは異なる存在である。テキストファイルは完全に文字だけで成り立っており,文字の大きさや色などの情報を含まない
一方でワードは,*大きさや色はもちろんのこと,文字に飾りをつけることもできる

使いやすい

すぐに起動&執筆

ポメラのもっとも便利な点といえば,なによりすぐに起動できるということだろう。小さくて持ち歩きやすいパソコンも売られてはいるが,複雑で多機能なオペレーティングシステムを扱うため,どうしても起動までに時間がかかってしまう。

しかも,テキストエディタだけを使う場合,パソコンはオーバースペック(性能過多)である。オーバースペックは問題ないようにみえるが,実のところは問題が多い。

-盗まれたり壊れたりしたときに損失が大きい。
-電池の持ちが悪い。
-冷却装置の音がうるさい。
-機能が複雑なので動作不良になりやすい。
-無線LANにつながるためセキュリティ上の危険がある。
-文字入力のために作られていないので,入力しづらい場合がある。

ブラウジングなし

ポメラにはWebブラウジング(ネット閲覧)機能がないので,執筆に集中できる。ついYouTubeを見てしまう,などということがない。もちろんSNSやチャットツールにもつながらないので,通知によって執筆が邪魔されることもない ー携帯電話をサイレントに設定していればー。