万年筆

西洋紀元2021年 04月04日 日曜日

万年筆は,ボールペンや鉛筆,メカニカルペンシルとは異なり,紙に当てる部分(ペン先)を使い続ける構造になっている。

高級ボールペンというものが存在するらしいが,私に言わせれば高級なのは軸のみである。ペン先は再利用不能なインク入れと合体しており,インクを使い終えたら捨てられてしまう。

そして,鉛筆やメカニカルペンシルならば,芯それ自体が筆記に伴って消費される。

これらの筆記具ではすなわち,ペン先が消耗品である。

一方で万年筆のペン先は,インクを変えても使い続けることが前提であり,筆記するうちに減っていくものでもない。すなわちペン先は消耗品とならないのだ。


万年筆は長時間筆記する場面に適している。強い筆圧が不要だからである。また,さらさらとインクが出るので,ボールペンや鉛筆より書き心地がよい。

万年筆は筆圧をかけずに書くよう設計されている。だから筆圧が強いと,ペン先が壊れてしまうことがある。


万年筆が吸入式もしくはコンバータ式の場合,ペン先はそのままで多様なインクを使用できる。

インクの種類は非常に多い。保存性や手軽さ,色などの視点から選択するのだ。

ただし,万年筆とインクの製造元が異なる場合,保証対象外になる場合がある。

その万年筆と相性のよくないインクを入れると,インクが漏れてしまう場合がある。私は,そんなことはないだろうと高をくくっていた。だが,相性のよくないインクを入れてしまい,手がインク色に染まってしまった経験がある。


万年筆を非常に高価なものだと思っている方も多いかもしれない。むろん高価な商品もある。しかしながら,日常的な使用に供する限りでは,5千円以下で満足できる品質の万年筆が手に入る。

私が推奨する万年筆は,パイロット社の <<コクーン>> と,プラチナ社の <<プロシオン>> である。

パイロット社 <<プレラ>> と,プラチナ社 <<プレジール>> も筆記性能は優れているが,

前者は壊れやすいこと,後者は軸が合成樹脂製であることから

前者は軸が合成樹脂製であること,後者は壊れやすいことから,
(2021年4月17日訂正)

私は推奨しない。


万年筆のなかには,軸が合成樹脂(プラスチック)製の商品も多い。しかしながら,筆記時にキャップを軸の反対側に差す場合,摩擦で軸が削れてしまい,マイクロプラスチックを発生させる危険がある。

環境保護を考えると,軸が合成樹脂製でない万年筆を選びたいものだ。


万年筆はとても便利で,筆記場面に快楽をもたらす。しかし,使用するべきでない場面も多い。

私はかつて文房具雑誌に,”絶対万年筆主義” なるものを掲げる記事を見たことを記憶している。それは,”どんなときでも,筆記具には万年筆を使う” というものである。

私も万年筆が好きだから,あらゆる筆記場面で愛用の万年筆を使用したい。だから私事に係る筆記には,ほぼ例外なく万年筆を用いる。そして不適切でなければ,公的な場面でも使用している。

だが,場合によっては,社会的あるいは人間関係上の問題で,万年筆を使用すべきでない;

私の利用している銀行は,手続書類に万年筆ではなくボールペンの使用を求めている。中学校時代は提出書類に万年筆を使用したため教員から注意を受けたり,メモや授業ノートに万年筆を使用していたことが原因で同級生ともめ事になったことがある。

その他に,万年筆の特性上,使用すべきでない場合もある;

飛行機の中では気圧の変化によってインクが漏れる恐れがある。

耐水紙は水性インクをはじいてしまうことがある。なお,万年筆は水中で使用できない。

また,激しく揺れる乗り物などでは,何らかの拍子でペン先が硬いものに衝突し,破損してしまう危険性が高い。

社会的な理由,および筆記具の物理的特性による制約が最低限になる筆記具というのは,おそらく加圧式ボールペンだろう。銀行でも学校でも,水中でも飛行機内でも書けるのだから。


結論は下記の通りとなる;

万年筆は楽しくて便利な筆記具だが,ボールペンほど多くの場面に利用できない。


2021年4月17日訂正