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先生方は「死んだ目」などしていない!──角川ドワンゴ学園にたいする名誉毀損事件について

2022-06-20

今年5月30日,角川ドワンゴ学園が,総合サポートユニオンや扶桑社などにたいして,名誉毀損で訴訟を提起したことは,ご存知だろうか。

それぞれ別個の名誉毀損ではあるが,いずれも「過労」などをでっちあげるか大幅に誇張して,学園をおとしめるものである。法的措置にいたるのも当然といえる。

とくに,扶桑社とフリーライターのおこなった名誉毀損は,無礼もはなはだしいものである。学園は5月30日にウェブサイトに掲載した「訴訟提起に関するお知らせ」で,こう述べている;

本年3月24日のN高等学校・S高等学校の卒業式と同日に、扶桑社は、同社が運営しているウェブサイト「bizSPA!フレッシュ」に「教員はみんな死んだ目…N高『労働問題』泥沼状態の現状とは」と題するフリーライターの署名記事を掲載しました。

私は,ユニオンや扶桑社がいうような過労の事実は存在しない,すなわち,角川ドワンゴ学園の言い分が正しいと考えている。

卒業式と同日──生徒はどう感じるか

「死んだ目」などと題した記事を,卒業式と同日に掲載する。これはとんでもなくひどいことだ。たとえドワンゴ学園で過労の実態があったとしても,この日に掲載すべきではない。改善には一歩もつながらず,卒業生にもやもやとした感情を引き起こすだけだ。

私はN高校に一年強しか在学していないが,それでも楽しい思い出がたくさんできた。Slackで仲良くなった学友を訪ねて一日中普通列車に乗りつづけたり,スクーリングで出会った学友といっしょに任意団体を立ち上げたり,本校スクーリングで沖縄の気温より暖かい人間の心にふれたり──そして残る9ヶ月(もうこれしか残っていないのか!)で,N高時代の思い出は,もっと増えるだろう。

扶桑社の行為は,暖かい過去がつまったアルバムに修正液をかけるようなものだ。おまえらの青春は,先生方に過労を強いてこそのものだったんだぞ,といわんばかり。ほんとうは,自分はドワンゴ学園で学ぶべきではなかったかもしれない,先生方にたいへんな過労を強いた──そう思いながら,卒業することになるかもしれないのだ。これはたんに罵倒したとか嘘をついたとか,そういった問題で済むことではない。

たとえじっさいに過労があるとしても,このような方法を取るべきでないことは明らかだろう。


著作権にかんして

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先生方は「死んだ目」などしていない

例の名誉毀損記事を読むと,「過労状態だった」教職員は,スクーリングを担当していたとのことである。スクーリングを担当するということは,生徒の目にふれるということだ。

中学校時代の担任の先生は,ほんとうに忙しそうだった。私はそのようすをはっきりと覚えている。それと比べたとき,スクーリングを担当した先生方が過労を強いられているとは,とても思えなかった。

ドワンゴ学園の立場に立って考えても,生徒の目にふれる先生方を疲れさせることにはデメリットのほうが大きい。生徒に絶望感をあたえ,評判の低下につながるからだ。

ネットの高校といえど,先生方の顔を見る機会がまったくないわけではない。通学コースなら登校するたびに,多くの先生方にふれることになる。ネットコースでも,面談やスクーリング,さらにはワークショップなどでは,先生方と直接話す機会がある。

先生方は「死んだ目」どころか,どちらが高校生かわからないような若々しい目をして冗談を言ったり,過去の経験を話したりしていた。ちかごろメンター(担任)の先生とオンラインで面談したが,ひどい環境に置かれているとは思えなかった。

「過労だ」と言っている先生は一桁にすぎない

そもそも,日本一の生徒数を誇り,そして多くの先生方が働く角川ドワンゴ学園で,「過労だ」などと言う先生は,きわめてわずかである。「3月24日のメディア報道についての見解」で,学園はこう述べている;

事実として、私学教員ユニオン所属の教職員は3名であり、全教職員の約0.4%に過ぎず、もし、私学教員ユニオンの主張が正しいのであれば、同様の意見が当該組合員以外の教職員からも当学園に寄せられ、ユニオン組合員も増えるはずです。しかしながら、当該組合員以外に当学園の業務が過重労働であると主張する教職員はおらず、また当学園の教職員が初めて私学教員ユニオンに加入して以来、1年以上が経過しますが、私学教員ユニオンに所属する教職員は一人も増えておりません。

しかも,そうやって「過労」を主張している先生の勤務状況は──学園が公開した抗議文をお読みいただきたい。

当該職員との間で実施した事実確認のための上長による面談においても、当該職員は休憩時間が取れない具体的な理由について、休憩前の授業でTAとの話が盛り上がったことや、昼休み中に生徒との面談を入れたことなど、当該職員自身の意識や工夫で解決可能であり、かつ、解決すべきと思われる理由を挙げるのみで、複数回にわたり面談を実施したにもかかわらず、当該職員がなぜリモートワーク勤務下で休憩を取得できなかったのか、その具体的な理由は、未だに十分な説明がありません。

さらに、上長とのWeb通信による面談を重ねた後も、当該職員が依然として休憩を取得できないと主張し続けたため、勤務実態を詳細に把握するためにリモートワークを中止してオフィスへの出勤を命じたところ、当該職員は、ペットの世話があるとして出勤を拒否しました。しかしながら、リモートワークは新型コロナ感染症流行に対する緊急避難策として開始したものであり一時的なものであり、当該職員はリモートワークを前提として雇用されたものでもなく、ペットの世話は出勤を命じる当学園の業務命令を拒否する正当な理由にはならないことは当然のことです。当学園が当該職員にこの旨を伝えたところ、当該職員は、この期に及んで、一転して、休憩が取れなかったのは気持ちの問題であった、自身の業務に集中することで休憩が取れるようになったのでリモートワークを継続したい、とその主張を変えました。

私学教員ユニオンの主張は?

ここまでは,おもに学園の主張をもとに論じてきたが,こんどは私学教員ユニオンがなにを主張しているかをみていこうと思う。ストライキ実施にあたってユニオンが公開した文書によれば,メンター制により教員の負担が増えている,とのことである。この文書から引用する。

N高では現在、150人担任制が基本(教員によっては180人になる人もいます)となっており、1人1人に合った教育が実施できないどころか、生徒と話す時間さえ十分に取れません。私たちは担任数の軽減を訴えてきましたが、学園は担任からメンターと名称だけ変更し、1人あたりの担任生徒数は、軽減どころか来年度より1クラス220人になると増加することが決まりました。

上記について,私から反論をひとつ。メンター制というのは,先生方の負担を減らすためにもうけられた仕組みだ。

まずは,全日制高校における担任の先生についてみていきたい。私は転校前に全日制高校にいたからわかるが,さまざまな相談はすべて担任の先生にすることになっている。勉強でわからないことを聞くのも,人間関係の悩みを相談するのも,さらには学校が斡旋する試験や課外プログラムに申し込むのも,すべて担任の先生。たしかに全日制高校であれば,何百人もうけもつなど絶対にできない。

角川ドワンゴ学園では,生徒が相談できる窓口を,相談の種別ごとにもうけた。そして,それぞれの担当職員が処理,返答する。どれにもあてはまらなかったり,緊急を要するなどの場合には,メンターに相談することになっている。また,わざわざ先生に相談するほどでもない問題に関しては,生徒間で相談できるシステムがある。担任(メンター)の先生の負担は,むしろ軽くなったのではないかと思える。


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